あらゆるコンテンツがコモディティ化する中でどう生きるか
皆さんこんばんわ。中小企業診断士 髙島です。
この2か月AI関連のセミナーのお仕事を数件いただきまして、ありとあらゆるAIを研究してきました。
無料のものでもすごいですが、やはり有料のサービスとなると能力はすさまじく、従来だったら膨大な時間がかかっていたものも、あっという間にハイクオリティなコンテンツができあがってきます。
トップのクリエーターがAIを使用すると本当に感動的な作品になります。AIを使うと感動できないなんてことは全くありませんね。むしろ鬼に金棒という表現の方が正しいかもしれません。
でも今日お話したいのは、そんなトップの話ではなく、どちらかというと一般人のお話です。
AIの登場で、スキルを持っていなくても、「ある程度のクオリティ」のものが一瞬で作れるようになりました。
もちろん一行のプロンプトで作った文章で、人の心を動かすものが作れるかと言われれば、それはさすがにないですし、AIで作った楽曲がすぐにメガヒットになるかというとまだまだ難しいでしょう。
しかし、ある程度の作品ではあります。
元音楽クリエーターから言わせてもらっても、正直「作曲を始めて数年」のクリエーターよりもクオリティが高かったりします。
音楽学校に通っている普通の学生レベルは凌駕しているといえるでしょう。
文章もまたしかりです。「説明する記事」であれば、十分すぎるほどわかりやすい文章だとおもいます。
AIとは少し異なりますが、CANVAで作ったチラシなどもプロに頼むのに比べたらあれですけど、ちょっとした告知に使う分には素晴らしいクオリティです。
となると、「安く(無料)で作れるならこれで十分」となるケースがどんどん出てくると思います。
これってつまりあらゆるコンテンツがコモディティ化するという事です。
コモディティ化を説明すると、商品やサービスの特徴が他社と似通ってしまい、顧客が「どれを選んでも同じ」と感じる状態のことを指します。この状態になると、価格が選択の主な基準となり、企業は価格競争に巻き込まれやすくなります。
例えば、スマートフォンの充電ケーブルがわかりやすいです。多くの製品が同じような機能を持ち、見た目も大差がありません。その結果、消費者は「とにかく安いものを買おう」と考える傾向があります。これが典型的なコモディティ化の例です。
かつて日本の家電メーカーは、高品質で革新的な製品を武器に世界市場をリードしていました。しかし、次第に技術が標準化され、競合する製品間の違いが少なくなりました。たとえば、テレビや冷蔵庫、洗濯機といった製品は、主要な機能がどれも似通い、消費者にとっては「どれを選んでも大差ない」と感じられるようになりました。
この状況で、韓国や中国のメーカーが、コストを抑えた価格競争を仕掛けてきました。彼らは安価な製造体制を活かし、日本の家電製品よりも安い価格で製品を提供しました。その結果、日本メーカーは価格競争に巻き込まれ、利益率が低下していきました。
同じことがこれからすべての業種・業態で起こり得ることが想定されます。
もはや品質で、付加価値をつけることはできなくなりました。また、瞬時にコンテンツが作れる以上、ターゲット毎にコンテンツを変えることができるため、ターゲットの絞り込みによる差別化、付加価値というのも難しくなってきます。
そうなると最後に残るのは「意味」です。
AIが描いたどれだけ美しい描写の人物画でも、自分の娘が書いたパパの似顔絵の前では無価値に等しいです。
マーケティングの法則を盛り込みまくった魅惑的な文章よりも、親友からもらう手紙の方が感動します。
これからは、意味を求めていくしかない。
そして「意味」とは何かというと、「合理性」と真逆にあるものだと思っています。
品質なんてどうでもいい、価格とかもっとどうでもいい、でもこの人にお願いしたい。
これを作っていくしかないです。うまく言葉にはできないですが、それは「絆」や「愛」などという、まじめに言うとちょっと怖いようなジャンルではないかと考えています。