基礎英語に見る、マーケティングの基本
皆さん基礎英語って聞いたことありますか?
基礎英語から始まって、レベルごとに様々な講座が用意されているNHKのラジオ講座です。
このラジオ英会話ってマーケティングとして非常によくできているなと思うんですよね。
今日はそんなお話です。
営業電話(テレアポ営業)ってどんなイメージがありますか?
忙しい時に突然知らない番号から電話がかかってきて、突然「○○にご興味ありませんか?」と言われるアレです。
もちろんこの商売をやっていると、電話をかけている人の立場も気持ちも分かるのですが、やっぱりいい気分にはなりにくいです。
忙しい時なら「なんでこんな時に」と苛立ちますし、暇なときには「問い合わせの電話かとおもったら売り込まれた」とがっかりしてしまいます。
どちらに転んでも、いい印象にはなりにくいです。
基本的に人は売り込まれるのが苦手です。
信頼関係がない相手から売り込まれると、不安感しかありません。
天才的な営業マンならこの状態からでも、ひっくり返すことはできるかもしれませんが、私のような凡人には基本無理です。
基本的に人は知らない人の話など聞きたくないのです。
ではどうするか?
最もオーソドックスなやり方としては「知り合いになる」という事
知らない人の話は聞きたくない。なら「知り合い」になればいい。という発想です。
そのために、足しげく通うという手法が営業では古くから行われてきました。
私が社会人になった20年前は「とにかくお客さんのところに通え」と上司に言われ、用もないのにお客さんのところに通い、めちゃくちゃ迷惑がられていました。
あの手この手で用事を作って、とにかく会いにいくということをやっていました。
今考えても非効率、いや逆効果この上無いです。
「また、あそこの会社の新人来たよ」
と露骨に嫌がられていました。この状況で信用など勝ち取れる訳がありません。
ではどうすればいいのか。
基本的な路線が「まず与える」という事
冒頭のラジオ英会話を思い出してください。
ラジオ英会話は、ラジオを持っていれば基本無料で聞くことができます。(ラジオ放送の受信料は1968年に廃止されています。)
無料で英語が学び放題な訳です。
しかもその内容が超高品質です。無料だからと手を抜いているわけではなく、一流講師がとてもわかりやすく教えてくれます。
ここで、「この講座は面白い、役に立つ」と感じると、テキストが欲しくなります。
テキストを買うと、何度も繰り返し聞きたくなります。
昔はラジオをテープに録音するなんてこともやりましたが、これめちゃくちゃめんどくさいです。するとCDを買おうとなります。
基礎英語は1年間で講座が終わりますが、基礎英語1をクリアすると、次に基礎英語2が用意されています。既に基礎英語1でファンになっていれば、じゃあ次は基礎英語2のテキストを買おうとなります。
そしてNHKの講座は英語だけではありません。今調べただけでも10か国語以上の語学講座がありますし、高校講座、俳句などの趣味など幅広く講座を用意しています。
大切なことは、一度も売り込まれていないということ
先にギブすることで、信用と信頼を構築し、商品購入につなげています。
マーケティング用語ではフリーミアムと言われる手法ですが、これは営業でも当然応用できます。
まず思いつくこととして、顧客が役に立つ情報を資料としてまとめて送付する、いわゆるニュースレターが思いつきますし、現代では動画にすることも無料でできます。
先に信用と信頼を構築する。この考え方を持つと、大幅に営業が楽になります。
次回はより深堀して検討していきます。