創業・起業したい!でも何から始めてよいか分からないそんなあなたへ

創業・起業、何から始めるべきか

創業したい! だけど何から始めてよいか分からない。そんなご相談を毎年多くいただきます。
創業塾やセミナーの講師として登壇していて、肌感覚として出席者数の約半数は、まだやりたいことが決まっていないという段階でご相談に来られております。
やりたいことがある! というのであれば、もうそれに向かって突き進めばよいと思いますが、「とにかくお金を稼ぎたい」「自由を手に入れたい」というのであれば、この記事を是非一読いただきたいです。

ビジネスには難易度がある

まず、ご理解いただきたいのは、ビジネスには難易度があるということです。 お客さんが欲しいと思っている物(サービス)をご提供する。 これがビジネスの基本です。 ここから難易度が見えてきます。
最も難易度が高いビジネスは、まだ世の中にないものを作り出し、販売することとなります。
まだ世の中にないものなので、そもそも欲しいと思っている人がいません。 もちろん「肌が老化しない」など、ニーズは顕在化しているものの、実現する手段がないものに関しては別ですが、新しすぎて全くニーズがあるか分からないものを作り出しても、売れるかどうか分かりません。

例として、「激辛かき氷」はどうでしょうか。 実現は可能でしょうが、おそらく世の中に出回っていないと思います。
ネットで検索してみると、「激辛&かき氷フェス」というのは出てきましたが、あくまで激辛フードを食べて、それをクールダウンするためにかき氷があるわけで、シロップが激辛という物ではなさそうです。 では作ってみて売れるかというと、難しいですよね。 売れるかもしれないけれど、だいぶギャンブルになりそうです。

では、逆に一番確実そうなビジネスは何かというと、みんなが欲しいと思っているものを売るということになります。
例えば、あなたがヴィトンの財布を15万円で買ったとします。 しかし、翌日にもっと欲しかった財布が見つかったので、そちらを購入し、元の財布を未使用で10万円で販売したとします。 これであれば、欲しいという方は続出します。 メルカリやヤフオクなどに出品すればすぐに買い手がつくでしょう。

みんなが欲しいと思っているブランド商品を、みんなが集まる場所で、安い価格で販売する。 こうすれば、ほぼ確実に売れます。しかし、全然儲かりません。

やや難易度が上がりますが、次の方法であれば、少し利益が出ます。
みんなが欲しいと思っているブランド商品を、みんなが集まる場所で、利益がギリギリ出る価格で販売する。
薄利多売ビジネスです。考えるべきは価格設定のみなので、シンプルですが、あまり儲かりませんね。
いかに安く仕入れ、ギリギリの高値で売るか。これが勝負になります。 これがレベル1です。

「利益」を出すために必要なこと

もっと利益を出すためには、「自分で集客する」ということが必要になります。 みんなが集まる場所には、競争相手が多いです。 一方で、みんなが欲しいと思っているブランド商品を、あなたのお店のファンが集まる場所で、適正価格で販売する。 となると話は変わってきます。

商品自体は変わりません。しかし、「この人が選んだ商品であれば間違いない」「このお店が好きだから、応援の意味も込めてこの店で買いたい」という状態になれば、適正価格で販売できます。 そのためには、愛される店舗を作るということを考えていく必要があります。接客や品揃え、センスなどが問われてきます。

このためには、次のことを考えねばなりません。 よい商品だが、あまり出回っていない商品を、あなたのお店のファンが集まる場所で、適正価格で販売する。 いわゆるセレクトショップ化です。

これができると、他ではあまり手に入りませんから、適正価格で販売しやすいです。しかしあまり知られていない以上、みんなが欲しいかどうかは分かりません。 しかし、「この人のチョイスなら間違いない」という信用が構築できていれば、買ってもらえます。

こうなってくると、「自分で集客」した上に、「自分を信用してくれる」という状況を構築していく必要があります。 単純な物販とは意味合いが変わってきます。 どのように人を集め、信用を集めるかということを考えなくてはなりませんので、レベルが大きく上がります。

自ら商品を作り出す

そして、次のレベルに移ります。 あなた自身が作り出した商品を、あなたのファンが集まる場所で、適正価格で販売する。 DtoCとも言われますが、商品の製造すら自社で行います。こうなるともはや定価は存在しません。同じ商品はここでしか手に入りませんから、価格競争に巻き込まれず、利益も大きくとれます。

しかし、ここまで来るためには、「人を集める」「信用を集める」必要があり、さらに、そのファンのみなさんの「期待」に応える商品でなくてはなりません。 ここで利益の最大化が見えてきます。

異なる次元「アーティスト」

しかしさらに上があります。 実はここまでは、「お客様に欲しいと思われるものを売る」という次元で話をしてきました。 しかし最終形態は、次元が大きく異なります。 それは「自分が作りたいものを売る」ということです。 お客様を見るのではなく、感性に従うということです。

これを実現するには、「お店のファン」では厳しいです。「あなた自身のファン」にまで昇華させていく必要があります。 いわばバンドやアイドルのファンみたいなものです。 このバンドを応援したい、アイドルを応援したいとなれば、極端な話、品質やデザインすら意味をなしません。

原価500円のTシャツを、5,000円で売ることも可能ですし、数量限定でサイン入りにすれば50,000円でも売れるでしょう。原価率まさかの1%です。 というか、握手券10,000円でもいけます。原価ゼロです。

この次元まで来ると再現性は、ほぼありません。 我々経営コンサルタントがどうこうできる次元をはるかに超えています。

まとめると、 ・商品を安く仕入れて、できるだけ安く売る物販(モール型出店か、自社店舗かでも分かれます) ・商品を仕入れて、接客力で売るセレクトショップ ・商品を製造して、接客力で売る工場直販 ・自分の作品を販売するアーティストとなります。


多くの人は、「一番難しいこと」から始める

ここまで見てきて、「自分が作りたいもの」を作ることがいかに難しいかお分かり頂けたと思います。

一方で多くの方が「自分が作りたいもの」から始めてしまいます。それは難しくて当然です。
お金を稼ぐことなど二の次で、自分の表現したいものを表現したいというのであれば、全く問題ありません。むしろ超応援したいです。

しかし、多くの場合、「自分が作りたいものを作りたい」「そして売れたい」と考えます。
これは正直現実的ではありません。「今日から野球始める」「そして今日から野球でお金を稼ぎたい」くらいの難易度です。

ここまでではないにしろ、ビジネス未経験で「みんなが欲しがる商品を作る」というのは、超難易度が高いです。

では、ビジネス未経験者が何から始めるべきかについて、次回考えてみたいと思います。

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