売上を上げたければ、3C分析を徹底しよう
3C分析って皆さん聞いたことございますか?
お世話になっております。中小企業診断士の高島でございます。
3C分析は、マーケティング戦略や事業計画を立てる際に用いられるフレームワークであり、主に「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から分析しましょうというものですね。
名前と概念は知ってるけど具体的にそれどうやるの?という質問をいただきましたので、私が支援現場や、企業研修などで使用している方法を解説していきたいと思います。
1.まずは目的を決めよう!
意外にも、フレームワークを使って分析を開始する際に、目的を決めないで走り出してしまうことは少なくありません。
これは、非常に大変です。
例えば、交通量調査を思い浮かべてください。「オートバイの通行台数を調べたい。」という目的があれば、オートバイの数を数えればいいですが、「特に目的は決めてない」となれば、どのデータを使うか分かりませんので、目の前を通るすべての人を数えなくてはなりません。
労力は倍どころの騒ぎではなくなります。もちろんこのような調査により気が付いていなかったニーズに気づけるというメリットもあるかもしれませんが、時間とお金は有限です。目的を決めて調査にかかることが非常に重要になります。
ここからは、自社既存顧客からの売上をもっと増やす(顧客シェアを増やす)にはどうすればいいかということを目的に考えていきましょう。
2.順番としては、顧客分析から
まず始めに行うべきは、顧客分析です。いくら自社の強みがすごくても、顧客に刺さらないのでは仕方がありません。それなのに、先に自社分析から始めてしまうと、先ほどの例のように大きな無駄が発生してしまいます。
顧客を徹底的に分析します。ちなみに支援現場では、顧客を中心として3C分析を再度展開します。顧客の顧客、顧客の競合、顧客自身のイメージですね。
BtoBの場合、当然顧客にも顧客がいます。顧客の顧客の悩みを解決することで、顧客は売上が上がります。そしてそのお手伝いをすることで、当社の売上が上がります。
例えば、当社顧客でネジを作っているA社がいるとします。さらにA社の顧客が自動車部品のメーカーだとします。この自動車部品メーカーが、今よりも耐熱強度が高いネジを欲しがっているとしたら、A社の悩みはなんでしょうか?
今より耐熱強度が高いネジを作れる素材ですね。
これを当社が見つけてきてA社に提案したら、通る可能性が非常に高くなる。そんなイメージです。
顧客の顧客を分析することで、顧客が悩んでいることが見えてきます。さらに顧客の競合、顧客自身と分析が続くのですが、これを詳細に書き出すとそれこそ本1冊になりますので、まずは一度ここまでの説明とします。
3.次に競合を分析
顧客の悩みに対して、競合が持っている強みは何でしょうか。こことガチンコで戦う場合、非常に激しい競争になってしまいます。これはできれば避けたいですね。競合の強みを徹底的に上げていきましょう。時間的に余裕があれば、競合起点での3C分析もできると、めちゃくちゃ解像度が上がっていきます。
4.そして自社分析
自社分析でとても大切なのが、他社から自社を見るということです。
先ほどは競合の強みを徹底的に上げました。次に競合からみて、自社の強みを上げていきます。
研修では競合になりきって、徹底的に「自社」と競争する戦略を立てます。
そうすると、「この部分がつよみだからこんな戦略やられるとつらいな」「あそこは弱みだから攻めてみよう」というのが見えてきます。
次に顧客になり切ります。こちらも研修では顧客の購買担当になりきって、ありとあらゆる買わない理由、競合を選ぶ理由をあげていきます。
先ほど述べた通り、この二つを顧客の立場からもやります。
この順番でやることで、効果の高い3C分析ができると思います。ご参考になれば幸いです。