#1 中小企業診断士独立前夜 240万円が妥当かな

独立前夜

「240万円が妥当かなと」

東京駅からほぼ濡れずに行ける高層ビルの高層階

場違いな安物のスーツを着て、居心地の悪さと共に目の前に出された求人票を見つめる

「どうしても今の年収がベースになりますので、、、」

通勤中にスマホで見た

年収の大幅アップ!100万円UPも数多く実現されています!!

なんて甘い言葉を信じた自分が恥ずかしくなる。

何とか声を絞り出して答える

「今中小企業診断士の試験を受けていて1次試験を合格しています。来月2次試験の結果がでますので、、、」

怪訝な顔をされる。それが何か?という表情である。

「資格だけでは、ちょっと、、、。実務経験があれば違うかもしれませんが」

中小企業診断士の資格が転職に有利かどうかはなんとも言えない、少なくとも1次試験合格ではあまりにも無力だと感じた。

転職しても年収ダウンになってしまう。

この年収では、子供は望めないかな。

妻になんて言おうか

「ありがとうございました」

頭を下げて部屋を出る。担当者の方は非常に丁寧な対応をしてくれたと思う。

転職エージェントは転職先の年収でフィーが決まるはず。つまり彼らにとって「美味しくない客」であるはずなのに、そんな態度はまるで見せなかった。

頼みの綱が切れたようなそんな気持ちと「やっぱりな」という気持ちが混ざる。

30歳までフリーターのような生活を送ってしまっていた自分には当然「ホワイトカラー」で「高収入」の職に就くのは現実的ではない。

現在の仕事だって親族に泣きついて何とか手に入れた職である。

文句は言えない。でもこれでは「独身生活」はできても「家庭を持つ」のは難しい。

東京駅から電車で約1時間

埼玉県のベットダウンの1LDKのアパートにとぼとぼと帰り、転職エージェントからもらった求人票を妻に見せる

「いや、これはない」

妻が怒りに震えていた

「いやいや今の俺の実力ではこんなもんだよ」

なぜか転職エージェントの擁護に回る自分がいた

「もうこれなら、一度独立してやってみようよ」

めちゃくちゃ意外な言葉だった。

結婚するならサラリーマンとあれだけこだわっていた妻からこんな声がでるとは思わなかった。

正直この金額ならバイトでも稼げないことはない。

転職してもこの金額から昇給できるか分からない。

年をとったらもっと厳しい。独立で勝負するなら今しかない。

感動するほど正論だった

中小企業診断士の2次試験で散々多面的な回答を出すようにと心がけていた自分の努力はなんだったんだというくらい妻の指摘は的確だった。

やれるだけやってみよう

ダメなら死ぬ気で働けばいい

そんなこんなで、2015年11月 まだ中小企業診断士に合格もしていない段階で独立を決意することになった この時33歳 何にも持っていない男がここから中小企業診断士独立を目指すことになる。

急に物語調でスタートして一体どうした!?とお感じになられたと思います。

申し訳ございません。

中小企業診断士の高島と申します。独立7年目です。

私は以前匿名で「中小企業診断士合格後すぐに独立するとこうなる」というブログを運営していました。https://shindanshi.hatenadiary.jp/

本来は、実名でこのようなコンテンツを出していきたかったのですが、このブログを仮にクライアント様や支援機関の方がみたら、「こんな何にも持っていない人に任せて大丈夫か?」と感じてしまうと考え、勇気が出ませんでした。

 しかし独立から6年が経ち、もうすぐ7年に差し掛かった身として、そろそろ私自身の「独立後」の実績で周りもみてくれるのではないか。それであるならば、7年前絶望して、それでも独立した自分の経験が、今まさに同じような気持ちになっている方、これから勉強を始められる方のお役にたてるのではないか?と考え、再びブログを開始することにしました。

 本業の合間を縫っての執筆になりますので、更新頻度は昔の様に毎日とは参りませんが、できれば毎週更新を目指してまいります。よろしくお願いいたします。

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