今日は尊敬するカリスマ講師のお話をさせてください
この方に出会わなかったら、私の中小企業診断士として仕事の向き合い方が大きく違ったと思います。
そして現在の私の主力事業の一つであるセミナー講師としてスタートが切れていなかったでしょうし、続けてもこれなかったと思います
そんなカリスマ講師のお話、いつもの通り長い(3,000文字超)ですがお付き合い頂けたら嬉しいです
~~
中小企業診断士独立1年目
とにかく仕事がほしくてほしくて
様々なところに精力的に営業に出ていた頃
「セミナー講師を探している知人がいるから紹介するよ」
というありがたい機会を頂きました
講師プロダクションというものがあるというのもこの時初めて知ります
企業や団体などが研修やイベントで
「こういうテーマで話せる人を探している」
というオーダーを受けると最適な講師を紹介するというものであり、いわば芸能プロダクションのセミナー講師版みたいな感じ
二つ返事でお願いしますと頭を下げ、連絡先を教えて頂く
何度かメールでやり取りした後、面談にこじつける
場所は都内の一等地
毎回だが、自分みたいな自信がない人間には都内の一等地という段階で、何か居心地が悪くなる
面談の当日まで、何度も何度も経歴書は書き直した
少しでも、すごく
少しでも、見栄えよく
なんとか立派な講師としてみてもらえないか
うんうん唸りながら
売れるプロフィールの書き方みたいな本を片っ端から読み漁り、コピーし、アレンジする
そして改めて
あぁ優秀なビジネスマンとはかけ離れた経歴だなぁと実感する
そして面談当日
プロダクションの社長は、それはもうオーラをバシバシに出しています
そんなオーラ出したら痩せません?というクラスである
「では自己紹介と自己PRをお願いします」
用意してきた経歴書を手渡し、話せるテーマについて熱弁した
ひとしきり話した後、社長はめちゃくちゃ丁寧に
「ありがとうございます。非常に残念ですが、当社の探している講師像とは異なるようです」
ああ、、。そうですよね、、、
「○○さんのご紹介ですし、高島さんは非常にやる気のある方なので、この際はっきりといいます」
あくまでアドバイスとして受け取って欲しいと前置きを置かれた上で
「今の高島さんのお話をお金を払って聞きたいという人はいないと思います」
薄々気がついてはいたことだ
ただここまでストレートに言って頂けると、諦めもつく
「ありがとうございます」
深くお辞儀をしてオフィスを後にする
帰りの電車でご紹介頂いた方にお礼のメールをした
自分の話をお金を払っても聞きたいか
どんな経歴、技術を身につければそこに辿り着くのか見当もつかなかった
そんなある日
自分が講師として働かせてもらっている受験予備校から、大学生向けのコースもあるけど担当する?と打診を頂いた
大学に資格取得の特別コースがあり、受験校から講師を派遣するというものである
もちろんやりますとも!
自分にはコンテンツがない以上、受験校のコンテンツ伝えるというプロに徹しようと気持ちを切り替えていた。(ナイスポジティブ)
伝える技術
話す技術
発声
見た目
などいかによい講師になれるかを日々研究していた
ただし今回は相手が大学生である。
ビジネスの経験がない大学生には使える例も限られる
事務局に素直に相談してみると
「カリスマ講師が来週講義やるから見に行ってみたら?」
と提案頂き、見に行かせて頂くことに
業界最大手の受験予備校
数十人いる中小企業診断士講座でもトップクラスの人気を誇るカリスマ講師である
なんとしてもその技術を目に焼き付けたかった
講義当日、カリスマ講師の姿を見つけ挨拶する
すると
「高島先生!本日はありがとうございます!よろしくお願いします」
超低姿勢!!!
まず名前を覚えてくださってる!!!
本物は別に偉そうにしなくても周りから尊敬されるから謙虚になるのかな
まずはお人柄に感動です
そして講義スタート
ふむ まずお声が素晴らしい
ふむふむ わかりやすい!
え?
えええ?
こ、
これは、、、
熱い!!熱過ぎる!!
熱血とかそういう次元ではない
しかも学生相手とか関係ない めちゃくちゃ丁寧
丁寧熱い
という今まで存在しなかった形容詞が誕生するほどに丁寧かつ熱い
前方の学生はうなずいているが
正直後ろの方に座っている学生達は、
あまりの熱さに
苦笑いというかニヤニヤしていた
講義は進む
日本企業の99.7%は中小企業
この中小企業に日本のこれからがかかっている
政府も様々な手を尽くしているが
その支援が届かない
中小企業に伴走し、経営のサポートをし、政府の支援活用を提案していき
元気にする
これが中小企業診断士
皆さんが目指すのはそんな資格
日本を元気にしよう!!
高島稔(当時35歳)は感動していた
ちょっと泣いてしまいそうだった
この熱さを活字で表現するには限界がある
口惜しい
日本経済
失われた30年とのちに言われるが
人生のほとんどを、平成で過ごした自分には
負けっぱなしなのが日本のデフォルトだった
それを変えることが自分たちの手でできるかもしれないのだ
居酒屋で日本経済のダメさを愚痴っていた自分が
日本を変えられるかもしれないのだ
熱い
熱すぎる
火傷しそうだ
いや違う
燃えているのカリスマ講師ではなく
自分の心の方である
燃え盛る炎に当たっているうちに、
自分の心にも、火が灯りはじめた
これはもはや受験指導とか、セミナーとかいう次元ではない
キングダムだ
もはや民衆に語りかけるリーダーにしか見えない
始皇帝と呼びたい
出陣じゃ!とか言われたら、もう拳を突き上げ叫ぶ用意はある
講義が30分を超える頃には、ニヤニヤしている学生の姿は、もはやなかった
会場全員が真剣な顔つきになっている
維新志士のようだ
目は確かに始皇帝を見ている
しかし彼らの目に映っているのは将来の日本の姿である
35歳のおっさんが感動しているのだ
感受性が高い18歳から20歳はひとたまりもない
ロックだ
ロック過ぎる
そして悟った
俺はどうやったら自分が良く見えるか
話が役立つように感じられるか
そんなことばっかり考えていた
ベクトルが逆だ
本物は、受講者にどんな未来を見せるかしか考えていない
自分がどう見えるか
じゃなく
相手に何を見せるのか
顧客目線って言葉にするのは簡単だが本当に顧客の目に憑依するのは生半可な覚悟では不可能だ
もちろん努力も必要である
以下は、後から別の先生に聞いた話で
その先生(A先生とします)とカリスマ講師が新人のころ、関西へ出張する機会があった。
カリスマ講師は新幹線に着くなり、すぐに席をたちデッキで電話しているようだった
新横浜を過ぎても、戻ってこない
ずいぶん忙しい人だなって思ったそうです。
そしたら、A先生にも仕事の電話がかかってきてデッキへ
カリスマ講師は、電話に向かって話している
A先生が、電話が終わっても話している
そこで、聞くとはなしに、カリスマ講師の声が聞こえ、そして気が付きました
これは電話ではない
カリスマ講師は電話のふりをしながら、ずっと講義の練習をしている
その様子を悟ったA先生は、カリスマ講師に気づかれないように席に戻りました。
そしてカリスマ講師は到着駅につくまで席には戻ってこなかったそうです。
才能ももちろんある方だと思います。
しかし、このような超努力によってカリスマは、カリスマになっていく
この日から受験指導に対する私の取組みは大きく変わった
お金を払っても聞きたい話
それはきっと自分の何かを変えてくれる話
おぼろげながらに見えた夜だった
~~
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
このブログ史上最長の長さを誇っております。ここまで読まれた方がどれだけいるのかわかりませんが、講師を目指す方にはなにか参考になっていただければ幸いです。
この話の後、カリスマ講師の先生に直接お会いする機会はありませんでした。
コロナを機に私も受験校講師の仕事を辞めてしまいましたので、ついぞしっかりとお礼をお伝えすることができませんでした。
コロナの折、ふとYouTubeを眺めていたら先生のお姿をもう一度見ることができました。
YouTubeにおいても深々と頭を下げ、あのリアル講義さながらに熱いトークを見せてくれる先生
やはり一流はどんなフィールドにいっても妥協せず一流の姿を見せてくれます。
あれだけ成功された方が、コミカルなネクタイを締めて、全力でカメラの前で挑戦されている
正直もう挑戦などしなくても十分食べていけるし、もっと楽な道もたくさんあるはずです
それでも
この中小企業診断士という仕事を伝えたい
という想いに
誇りをもって
信念をもって
挑戦するお姿にまた感動させていただきました
私もいつか先生のように皆様の心にほんの少しでも火をつけられる存在になりたい
そう思って邁進してまいります。
本日もありがとうございました!